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「ブレない社民党」訴え 改憲勢力との対決強調 社民党の福島みずほ党首は4日、福島県会津若松市の商店街で街頭演説。その後、福島第1原発のある大熊町から避難してきた人々が入る仮設住宅近くの公園で演説し、避難民を激励した。
福島党首は「福島の被害にしっかり寄り添うことでしか脱原発は実現しない」とキッパリ。「(民主党)野田内閣は2030年代原発ゼロを目指すと言いながら、これから原発を建設すると言っている」「(自民党は)原発を推進してきて、政官業癒着をやってきて、どうして脱原発が実現できるのか」と2大政党を批判したのに加え、「社民党はブレない。昨日今日できて毎日日替りのように脱原発政策が変わる政党ではない」と述べ、社民党こそ脱原発の原動力であり推進力だと熱く訴えた。
さらに、「雇用を立て直すことがすなわち生活を立て直すこと」「格差・貧困が拡大している中で消費税を上げれば生活が苦しい人ほど重い負担になる」「消費税増税ではなく不公平税制の是正を。1%のための政治ではなく99%のための政治を」「(TPP参加で)農業や医療を壊してはならない。新自由主義で社会を壊してはならない」と党の政策を次々とアピールした。
また、憲法問題について福島党首は「憲法の価値を生かすことが今の被災地で、日本で必要なこと」と述べた上で、「今度の衆院選が終わったら改憲国会になるだろう。これに敢然と立ち向かえるのは元祖・護憲の社民党だ」と強調。
「原発も戦争も一握りの政治家の決定、誤った国策によってによって人々が傷つく。こんなことは許してはならない。政治は人のいのちを守らなければならない」とし、熱弁を結んだ。
稼働即時ゼロにして廃炉へ 社民党の福島みずほ党首らは5日、大阪市で記者会見し、社民党「脱原発アクションプログラム2013」(PDFファイル)を発表した。11年5月に公表した同プログラムを改訂したもので、福島党首を座長とする党脱原発・自然エネルギー推進プロジェクトチームが策定した。
新プログラムは、「原発ゼロ」への工程表の先駆けとして反響を呼んだ当初版発表の意義を確認した上で、その後に起きた大飯原発3、4号機再稼働、原子力規制委員会設置、「30年代稼働ゼロ」を目指すとした政府の新エネルギー政策決定、着工済み原発建設再開容認などを踏まえ、この間浮上した課題について提言を行ない、「『即時原発稼働ゼロ』を軸とする工程表」として再整理したもの。
当初版で打ち出した「2020年までに原発ゼロ」については、20年まで運転を容認するという意味ではなく、「危険度の高い炉から速やかに廃炉に着手し、20年までに終える」ことであることを明確にした。
使用済み核燃料処分問題では、六ヶ所再処理工場や各原発サイト内での貯蔵が限界に近づきつつある現状を指摘。その上で①当面は発生者施設内に中間貯蔵施設を整備しドライキャスク方式(いわゆる乾式貯蔵)で管理・保管②再処理は行なわず直接埋設処分する方針を明確化する③最終処分の具体的方法については「安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」(仮称)を設け5年をめどに国民的議論を行なう とした。
栃木、茨城両県で反対の声が高まっている「指定廃棄物(8000ベクレル/キロ以上)最終処分場」建設問題については、福島県内の廃棄物に関しては10万ベクレル/キロ以上のものは最終処分せず中間貯蔵する方針と整合性がないとし、①少なくとも10万ベクレル超/キロは中間貯蔵とすべき②現在の候補地決定は白紙撤回すべき――だとした。
送電網を公共財に 電力システム改革に関しては、所有分離を基本に発電と送配電を分離し、送電網は公共財として運用し、ユニバーサル(全国一律)サービスを義務付ける。
また、事故を起こした東京電力については法的破綻処理を行ない、発電・送電・事故対応部門に分割し売却。その上で、原子力損害賠償支援機構法などを抜本改正し、国の責任で十分な賠償を行なう体制をつくる。
電力料金値上げ問題では、東電が値上げしたのは「原発が止まったからではなく、原発が事故を起こしたため」と指摘。動いていない原発の減価償却費や原発依存経営の失敗による火力発電燃料費増を消費者に転嫁することは許されないとした。
原発事故の被害者救済では「福島原発事故健康管理法」(仮称)の制定を提唱。健康管理手帳の発給とモニター、検診・治療費用の無料化などを行なうとした。
総合的な生活保障制度を 社民党全国連合常任幹事会は11月29日、「全ての若者に『ホーム』(失敗してもいつでも帰れる拠点、安心できる居場所)を」と提言する「社民党若者アクションプログラム2013」(PDFファイル)を取りまとめた。福島党首と吉田忠智政審会長代理が同日会見し、発表した。
同プログラムは「同一価値労働・同一賃金を目指し、雇用形態などを問わずに生きていける生活保障制度の構築」を提唱。①職場②居場所③住居④家族⑤地域(教育・子育て)⑥アジア地域――が「ホーム」になるというトータルな観点から、生活保障制度の具体的制度設計を提案したもの。
提言を貫く問題意識は、大人から「自己責任」を強調される若者と、先行世代の「既得権」への反感を募らせる若者という世代間対立の負の連鎖を逆転させるため、若者を取り巻く困難を「自己責任」にすり替えることなく「社会の問題」として捉え直し、改善への道筋を探ろうというもの。とりわけ、就労支援が一方的な「就労圧力」に転化しがちな状況もある中で、労働者を使い捨てる「ブラック企業」の横行、雇用非正規化の拡大をテコとして賃金・労働条件が引き下げ競争の様相を呈していることなどに着目し、「人生の各ステージで必要となる生活費・支出を公的サポートで支援していく」生活保障制度の設計について各分野にわたって提言している。
具体的には、①「過労死防止基本法」の制定、失業給付制度の正しい運用(自己都合退職か会社都合か)、労働法教育の実施、労基署の体制強化②改正派遣法のさらなる改善、有期雇用拡大に歯止めをかけるための法改正③中小企業庁の権限拡大など雇用の7割を占める中小企業支援強化、最低賃金の時給1000円以上への段階的引き上げ④公共サービスのアウトソーシング(外部委託)などによる「官制ワーキングプア」の拡大やケア労働の「ブラック化」を防ぐための公契約条例(法)やリビングウェッジ(生活賃金)条例の制定⑤生活保護制度の「最後のセーフティネット(安全網)」としての機能強化、そこに至る前段階の諸安全網の強化、「パーソナル・サポート・サービス」(個々人に着目した生活・就労総合支援制度)の推進⑥「居住の権利」を確立する「住宅基本法」制定、公営住宅の供給拡大、家賃補助制度の創設⑦選択的夫婦別姓を導入する民法改正、セクシュアル・マイノリティ(性的少数派、いわゆるLGBT)の婚姻などによる「ゆるやかな家族」支援⑧「子どもの貧困防止法」の制定、子どもの権利擁護のための第三者機関設置、給費奨学金の拡充⑨アジア諸国との共同の歴史研究推進――などを提起している。
テレビ党首討論で福島党首 福島党首は2日、フジテレビ系「報道2001」、テレビ朝日系「報道ステーションSUNDAY」に続けて出演し、党首間討論に精力的に臨んだ。
このうち野党6党首が出席したテレ朝番組では、各党の脱原発政策の内実をめぐり野党間で論戦が交わされた。福島党首は「原発を動かさない、再稼働させないという問題と、脱原発を実現するということの間には距離がある」と率直に指摘し、基本法および「廃炉法」の制定、立地交付金に関わる電源3法改正と立地地元の産業・雇用構造の転換、過渡的にLNGコンバインド・サイクル(新型の高効率複合型液化天然ガス火力発電)を活用しながら自然エネルギー発電への転換を図るなど、社民党の体系的な脱原発プログラムを紹介。原発停止と火発燃料費負担を理由に次々電気料金値上げを申請する電力会社の姿勢に対しては「料金が上がると脅しながら原発を推進するのは、電力が足りなくなると脅した前と一緒」と批判した。
どの政党が本物か問う 衆院選挙の公約を発表
社民党は11月22日の常任幹事会で「衆議院選挙公約2012」を決定し、福島みずほ党首と吉田忠智政審会長代理が記者会見を開いて発表した。
会見で福島党首は「ブレない社民党が脱原発の実現のために何としても必要。社民党が脱原発、反消費税増税、反TPPの要として頑張る」と強調した。
また、これに先立つ常幹では、打算ばかりが見え隠れする右の「第三極」勢力の離合集散について「維新ごっこをやっているヒマはない」(福島党首)などの批判が相次いだ。又市征治副党首は、新自由主義、(それと部分的に重なり合う)新保守主義の勢力と対抗するのが本来の第三極であるはずだとして「(社民党と)社民主義的リベラル派を含めた勢力こそが第三極だ」とコメントした。
全国幹事長会議で決意
社民党は11月22日、東京・社会文化会館で全国幹事長会議を開催した。執行部側が提出した衆院選公約などを質疑・答弁の上で了承し、総選挙闘争の本格的スタートを切った。
冒頭のあいさつで福島党首は、総選挙の争点として①格差是正(格差を広げる消費増税や地方を疲弊させるTPPなどに反対)②脱原発③憲法改悪反対 の3本柱を挙げた上で、「自民党はこりごり、民主党はダメ、第三極はわけ分からない。社民党こそ頑張らなければならない」と述べ、全党の総決起を促した。
若者の生活保障を提案
党常幹は11月29日、「全ての若者に『ホーム』(失敗してもいつでも帰れる拠点、安心できる居場所)を」と提言する「社民党若者アクションプログラム」(PDFファイル)をとりまとめた。福島党首と吉田政審会長代理が同日会見し、発表した。
「未来」とは連携協力へ
滋賀県の嘉田由紀子知事が11月27日、「卒原発」を掲げる「日本未来の党」結党を表明したのを受け、社民党全国連合常幹は同29日、「新たな『第三極』結集の動きについて」と題する党見解をとりまとめ、「未来」について「脱原発実現、消費税増税撤回、反TPPの一翼を共に担う勢力と位置づけ、協力・連携の方向で臨む」とし、具体的な選挙協力についても「可能なところについては追求する」との態度を確認した。
見解は同時に、「リベラル勢力の要となるべきわが社民党の力不足については、率直に反省する必要がある」とし、護憲や雇用問題などで「社民党の存在意義や特色を鮮明に打ち出していく」との態度も確認。未来の掲げる政策の評価については、子育て支援のバウチャー(利用券)制度導入などに触れ、「詳細に検討すべきものも盛り込まれている」と慎重な姿勢を示した。
【東京】前職の辞職に伴う東京都知事選(29日告示・12月16日投票)で、前日本弁護士連合会会長の宇都宮けんじさん(65)が11月9日、衆院議員会館で記者会見し、無所属で立候補することを表明した。「石原都政との決別」を願う都民やメディア関係者が多数詰めかけ、会場は「宇都宮コール」の熱気に包まれた。
宇都宮さんは開口一番、「優しさこそ本当の強さだと確信する。上から目線ではない、人に優しい東京を実現するために、皆さんと共に働くことを決意した」と熱く出馬表明。また「憲法9条と25条は車の両輪。平和な都政、アジア諸国との友好を強めることも都政の大きな責務」と語り、憲法の平和主義と生存権保障の理念に基づいた都政を推進する考えを示した。
社民党都連合(北川雄重代表)は13日、支部代表者会議を開き、宇都宮予定候補を支持することを決定した。
■照屋寛徳衆院議員の追及に対し野田首相 社民党の照屋寛徳衆院議員は13日の予算委員会で、普天間基地に配備されたオスプレイが人口密集地上空で垂直離着陸(ヘリ)モード飛行を繰り返していることについて、「9月19日に日米合同委員会で合意した安全確保策を全く守らずにやりたい放題だ」と追及。
これに対し政府側は、「米国はオスプレイに関する合同委員会合意を順守し、安全性等に最大限配慮していると認識」(野田佳彦首相)、「米国は日米間でつくられた合意を守ろうとして飛行の安全に努めている」(森本敏防衛相) と答え、飛行実態に対する明確な判断提示から逃亡。「政府としてもこの合意が順守されるようフォローしていく」(野田首相)、「わが方としても目視によってできるだけ飛行の実態を把握すべく努力しているところ。極めて具体的、明らかな問題があれば外務省と協議して合同委員会の場でアメリカ側に指摘するつもり」(森本防衛相) と、実に悠長な態度だった。照屋議員は「政府は国民、沖縄県民の命の安全は守ろうとしないでアメリカの言いなり」だと厳しく指摘した。
照屋議員はまた、沖縄県読谷村で米兵による住居侵入・傷害・器物損壊事件が発生した当日の11月2日、藤村修官房長官が会見で被疑者の起訴前身柄引き渡しを要請する必要はないと述べたことについて「県警が犯人米兵の事情聴取もしていない段階での官房長官発言は警察の捜査権に対する政治の不当介入だ」と批判。小平忠正国家公安委員長は「事件発生直後から捜査に対し米側の全面的な協力が得られていたことから、本事件の性質上、起訴前の身柄引き渡しを要請することが必要となる可能性は低いと認識していた」と答弁し、藤村長官をかばった。
(社会新報より)
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