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福島みずほ「政治スクール」で伊藤真さん
今年の「福島みずほと市民の政治スクール」は「憲法スクール」。実行委員会主催の政治スクールの今期第1回が6日、都内で開かれ、約150人が参加した。弁護士で「伊藤塾」塾長の伊藤真さんが、自民党の新しい「憲法改正草案」批判をテーマに講演した。
伊藤さんは「憲法の本質は国民が権力を縛るもの」「権力に憲法で歯止めをかける考え方が立憲主義」と強調。その上で、自民の新改憲案はこの立憲主義を逆転させたものだとして「国を縛るための憲法から、国民を縛るための憲法へと全く性質が変わってしまっている。これが自民党改憲案の本質」と喝破した。
立憲主義が求められる理由に関して伊藤さんは、多数決は常に正しいとは限らないとして「民族を超え時代を超えて人間というものはおよそ情報操作にだまされたり目先の利益に目を奪われたり、流されやすい弱い生き物」と指摘。その上で「多数でもやってはいけないこと、多数によっても、法律によっても奪えない価値を書きとどめたもの。それが憲法」だとした。
加えて伊藤さんは、立憲主義の考え方とは、民意を反映した民主主義的正統性を持つ政権であっても憲法によって歯止めをかけられなければならないということだと指摘。さらに、民主主義とは少数者の声が構造的に反映されにくいことでもあるとして、「憲法とは多数派、強者から少数派、弱者を守るための道具と言い換えてもよい」と述べた。また本来の立憲主義の考え方によれば「国民には憲法を守る義務はない。なぜか。国民は憲法を守らせる側だから」と述べ、「憲法は人権規定ばかり、それは当たり前」と念を押した。(社会新報4月17日)
■自治体巻き込んだ運動へ フォーラム平和・人権・環境など4団体は13、14の両日、都内で「オスプレイ配備と米軍基地問題を考える全国集会」を開いた。初日は約340人を集めて全体集会を開き、2日目は低空飛行訓練の実態などをテーマとした4つの分科会に分かれて議論を深めた。全日程を通じ、自治体への働きかけ、住民との連携の重要性が強調された。
法を越えた低空飛行 全体会で、NPO法人ピースデポ代表の湯浅一郎さんは、低空訓練全国自治体調査の結果を報告。配備撤回・訓練阻止のためには全国規模の世論形成が必要だとするとともに、住民の安全・安心を第一義とする自治体の「平和力」を生かす取り組みが求められていると強調。その際、オスプレイには(安全着陸のための)オートローテーション機能が欠如していること、そもそもヘリに同機能が備わっていることを義務づける日本の航空法の「耐空証明制度」が米軍機には適用されないことの問題性を訴えていくべきだとした。
非核市民宣言運動ヨコスカの新倉裕史さんも「沖縄の全自治体がオスプレイにノーと言っていることの重要さ」を指摘。その上で、「岩国基地から出て岩国に戻る」ような訓練が日米地位協定5条2項「基地間移動」で説明できないことは政府も認めていることであり、低空訓練に関し地位協定上の根拠を示すことができない以上、「地位協定実施に伴う航空特例法」により日本の航空法の適用から除外することには無理があるという認識を自治体とも共有することは可能だと問題提起した。
■参院山口補選 平岡秀夫必勝を福島党首訴え 【山口】安倍内閣の発足後初の国政選挙として注目を集めている参院山口補選(11日告示、28日投票)は、無所属新人で元法相の平岡秀夫候補(59)=民主・みどりの風推薦、社民支持=と、自民、共産、諸派の各新人の計4人が立候補し、激戦の様相だ。
告示日11日の第一声には社民党の福島みずほ党首、民主党の海江田万里代表、連合山口の杉本郁夫会長が平岡候補の支援と激励に駆けつけた。
福島党首は応援演説で「平岡さんは国会の中でなくてはならない人、今提出している脱原発基本法案の生みの親」と紹介した上で、「山口県で上関原発を造るかどうかが問われる選挙。また、オスプレイが飛ぶ山口県でなく、安心・安全な雇用を大事にする山口県をつくろう」と、支援の輪の拡大を呼びかけた。
平岡候補は、詰めかけた支持者を前に、安倍内閣が進める①原発の再開②TPP(環太平洋経済連携協定)への参加③憲法改正 を庶民は望んでいないと指摘。
その上で、「脱原発を実現し、再生可能なエネルギーの実現、平和憲法を活用しての世界の安定、地域経済、雇用の安定、岩国基地の米軍再編問題など、これまでの経験を生かし県民のために頑張る」と決意を訴えた。
■「子ども・被災者支援法」で吉田忠智参院議員 社民党の吉田忠智参院議員(党政審会長)は17日の復興特別委員会で、福島原発事故の「被災者支援施策パッケージ」が先月公表される一方、支援対象地域指定の放射線量基準を含む「子ども・被災者支援法」の基本方針が策定されていないことについて、「早急に(公衆の法定年間被ばく許容線量の)1㍉シーベルト以上を支援対象地域として基本方針策定に入るべき」と政治決断を迫った。
吉田議員は、同パッケージに盛り込まれた母子避難者等の高速道路無料化の対象地域に宮城県丸森町が含まれたことを指摘。その上で、線量基準作りに対する慎重論の論拠として「地域分断」が主張されてきたことについて「福島県外の丸森町へ支援を拡大したことの趣旨に照らせば、1㍉シーベルト以上を対象地域にすると地域を分担するという主張の根拠は失われたのではないか」とただした。
根本匠復興相は「施策によって対象範囲は異なる」との認識を示しつつ、線量基準については「専門的技術的科学的検討が必要」との決まり文句を反復。「避難指示解除に向けた検討として線量水準に応じて講ずるきめ細かい防護措置の具体化」をにらみながら検討するとも付け加え、20 ㍉シーベルトを線引きの基準とすることに含みを持たせた。
社民、民主、生活の野党3党は11日、「いじめ対策推進基本法案」を共同提出した。私学を含む各学校に「いじめ対策委員会」の設置や保護者への適切な情報提供などを義務付けるほか、重大事案が発生した場合には教委や私学設置者が第三者を含む「対策特別委員会」を設置して対応する。
沖縄切り捨て政策許さない サンフランシスコ対日講和条約が発効(1952年)し日本が独立を回復した引き替えに、沖縄が米軍統治下に置かれた4月28日を、「主権回復の日」として政府が式典を行なう問題で、「『4・28主権回復の日』を問う 繰り返される『沖縄切り捨て政策』」と題した集会が17日、参院議員会館で開かれ、東大大学院教授の高橋哲哉さんが講演した。主催はピースボート、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、フォーラム平和・環境・人権など6団体。
高橋哲哉さん(東大大学院教授)が講演 高橋さんは、政府式典に天皇の出席が予定されていることとの関係で、(日本の潜在的主権下の長期租借という擬制の形で)米軍の「25年ないし50年ないしそれ以上」の沖縄軍事占領継続を望むとした47年天皇メッセージの持つ意味について問題提起。「恐るべき射程を持っている。なぜならばその後の戦後史は実際そのように展開してしまった」と述べ、事実上の沖縄軍事占領は今も続いているとの認識を強調するとともに、「沖縄の現状に対する天皇制の関わり、責任を指摘せざるを得ない」とした。
集会では社民党の福島みずほ党首、山内徳信参院議員が連帯あいさつした。
無期限緩和策 危ない橋を渡るより雇用に焦点を
安倍首相の意気は上がる一方のようだが、アベノミクスは早くもほころびを見せ始めたのではないか。通貨供給量を2年で2倍にする「次元の違う金融緩和」を決め、企業のプレゼンよろしくメディア登場や国会で宣伝に余念がない黒田日銀総裁だが、この間の発言には揺らぎも見られる。[つづき→無期限緩和策 危ない橋を渡るより雇用に焦点を ] (社会新報2013年4月24日号より)
山内徳信参院議員
社民党の山内徳信参院議員は3月29日の予算委員会で、同22日に政府が沖縄県に対して行なった辺野古新基地建設のための埋め立て申請を厳しく糾弾した。
山内議員は、安倍晋三首相が2月22日の日米首脳会談の席上、オバマ大統領に対し埋め立て申請を早期に行なう意向を表明したと報道されたことに言及し、「沖縄の民意も行政環境、政治環境も、もはや沖縄の海にも陸にも新しい基地を造っていけるような環境にないことを総理、外務、防衛大臣は知るべきだ」と指摘。「沖縄を質草としてオバマに差し出してしまったという県民の怒りは天を突いている。そういうことでは民主的な政治とは言えない」と迫った。
これに対し安倍首相は「普天間基地の固定化は断じてあってはならない」と決まり文句を前置きした上で、「移転を進めていくことと同時に負担軽減、嘉手納以南の土地の返還等も含めてしっかり行なっていきたい」と答え、新基地建設と嘉手納以南の返還をリンクさせる意図をにじませた。
照屋寛徳衆院議員 社民党の照屋寛徳衆院議員は2日の安保委員会で、1952年のサンフランシスコ対日講和条約発効で沖縄が本土から切り離されて米軍統治下に置かれ、沖縄では「屈辱の日」と呼ばれる4月28日を政府が「主権回復の日」とし、記念式典開催を予定していることに抗議し、中止を要求した。
照屋議員は「沖縄では歴史の真実をゆがめるものとして式典に反対する声が日増しに高まっている」と指摘。その上で、政府の式典案内状に「完全な主権回復がなされた」と記載されていることについて「サンフランシスコ講和条約発効によって本当にわが国の完全な主権回復がなされたと考えるか」と追及した。
岸田文雄外相は「この文言は地理的なことを意味するものではない」と述べつつ、サ条約1条(b)の「連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全な主権を承認する」を読み上げるという苦しい答弁ぶり。米国の施政権下に置かれたという歴史の事実をもって反対している沖縄の抗議とはかみ合わなかった。
■記者会見で福島党首 社民党の福島みずほ党首は3日の記者会見で、28日の政府の「主権回復の日」式典について、「これ(サ条約発効)は完全なる主権の回復ではない」として出席しない意向を表明した。
■参院候補者を公認決定 社民党全国連合常任幹事会は4日、参院選福島選挙区(定数1)の候補者として党福島県連常幹で新人の遠藤陽子(えんどう・ようこ)さん(63)、新潟選挙区(定数2)の候補者として新潟県平和運動センター議長で新人の渡辺英明(わたなべ・ひであき)さん(62)を予定候補者として公認することを決定しました。
遠藤さんは50年生まれ。東京音大卒。73年に福島県の公立校教員として働き始め、富岡第一中教員を最後に10年に退職。富岡町民ですが福島第1原発事故により現在、いわき市で避難生活を送っています。原発事故後の11年県議選に立候補し惜敗。党県連常幹などを務めています。
渡辺さんは50年生まれ。駒沢大卒。現在、新潟県平和運動センター議長、柏崎刈羽原発設置反対県民共闘会議代表、新潟水俣病共闘会議副議長などを担い、最前線で奮闘中です。
■衆院選挙制度めぐる与野党幹事長会談で野党側 衆院選挙制度をめぐり与野党幹事長・書記局長会談が3日、国会内で開かれ、自民、公明の与党側は①昨年成立した緊急是正法(小選挙区定数0増5減法)に基づく区割り改定法案(公職選挙法改正案)を速やかに成立させる②定数削減や選挙制度抜本改革の課題は区割り改定の問題とは切り離し、政党間協議の場を設けて話し合いを継続する――の2点を提案した。これに対し野党側は、新党改革を除いて区割り改定法案の先行処理に反対の態度を表明。各党協議会の設置については全党が賛同した。
社民党は、小選挙区が0増5減で固定されると「増税するのだから立法府が身を切るべき」論に立つ比例削減に議論が流れ、民意を正確に反映する抜本的制度改革からますます離れてしまうとして、小選挙区定数の先行是正に一貫して反対する姿勢をとってきた。
11日告示・28日投票の参院山口補選で、社民党全国連合常幹は4日、無所属新人で前衆院議員・元法相の平岡秀夫さん(59)=民主推薦=を支持するとの党山口県連合(佐々木明美代表)の決定を確認した。
党県連と平岡予定候補は2日、①憲法三原則遵守(じゅんしゅ)②格差社会是正・国民生活向上③脱原発依存社会への転換④TPPの問題点検証とアジアとの経済連携強化⑤基地拡大・強化反対 を骨子とする政策協定に調印している。
同補選には平岡さんのほか自民公認・公明推薦の新人(前下関市長)、共産公認の新人らが立候補予定。
社民・生活・みどりの風3党
3・11福島第1原発事故から2周年の3月11日、社民、生活、みどりの風の野党3党は参院に脱原発基本法案を共同提出した。昨年9月に衆院に提出した法案(解散で廃案)をベースとして、原発推進の安倍政権発足などの情勢の変化を踏まえて若干の修正を加えたもので、賛同者に名を連ねた民主、みんな両党の計8議員を加えると、発議・賛成・賛同議員は計26人に上る。
□脱原発基本法案 発議者・賛成者
(PDFファイルが別ウィンドウで開きます)
基地返還計画 返還と新基地のリンク放棄すべき
政府は、3月22日に新米軍基地建設のための辺野古沿岸の公有水面埋め立てを沖縄県に申請したのに続き、嘉手納以南の基地返還計画の決定に向けた米側との調整を本格化させた。本稿執筆時点では普天間基地を含め返還時期が具体的に明記されるかどうかは不明だが、辺野古新基地建設問題が大きな曲がり角に立ち至っていることは確かだ。[つづき→基地返還計画 返還と新基地のリンク放棄すべき] (社会新報2013年4月10日号より)
原発政策の反動に全力で立ち向かう
「私たちの思いは福島と共にある。福島のことを忘れて原発反対運動は成立しない」(ルポライターの鎌田慧さん)。
安倍政権の下で原発・エネルギー政策の逆流が強まる中、「つながろうフクシマ! さようなら原発大集会」が9日、東京・明治公園で開かれ、約1万5000人が参加。集会後、2コースに分かれて都内をパレードした。主催は「さようなら原発」一千万署名市民の会。
集会発言の結びに、京都で自主避難生活を送る福島市の斎藤夕香さんは、これまで避難に関する情報が必要な人ほど情報が与えられず、判断が難しくされてきたと振り返り、「同じ人たち同士で情報をグルグル回してしてはいけない」と運動のあり方について問題提起。「新しい人に伝える作業を皆さん一人ひとりがやることで絶対変わる」と参加者に切々と呼びかけた。
3・9集会開会に先立ち、社民党全国連合と都連合(北川雄重代表)は会場近くで街頭宣伝を行ない、集会参加者を激励した。
福島みずほ党首は、前民主党政権の「30年代原発ゼロ」政策放棄を宣言し、原発再稼働に加え輸出や新増設、再処理推進に傾斜する安倍自公政権の姿勢について「まるで原発事故などなかったかのように振る舞い始めている」と危機感を強調。「事故原因が究明されていないのに、なぜ新安全基準を作れるのか、再稼働することができるのか」と述べ、原発事故を忘却しようとする態度を批判した。
参院候補者を決定 社民党全国連合常任幹事会は14日、参院選選挙区候補者として、埼玉選挙区(定数3)で新人の川上康正(かわかみ・やすまさ)さん(48)を公認し、沖縄選挙区(同1)で現職(2期)の糸数慶子(いとかず・けいこ)さん(65)の推薦を決定した。
川上さんは64年生まれ。早大、淑徳大大学院卒。20年弱の国会議員秘書生活を経て、昨年末の総選挙で埼玉1区から立候補し惜敗。現在、党埼玉県連合副代表、キリスト者政治連盟常任委員などを務める。
糸数さんは47年生まれ。読谷高卒。バスガイド勤務、沖縄県議(3期)などを経て94年、沖縄選挙区から参院議員に初当選。現在、沖縄社会大衆党委員長。
社民・生活・みどりの風3党
3・11福島第1原発事故から2周年の11日、社民、生活、みどりの風の野党3党は参院に脱原発基本法案を共同提出した。昨年9月に衆院に提出した法案(解散で廃案)をベースとして、原発推進の安倍政権発足などの情勢の変化を踏まえて若干の修正を加えたもので、賛同者に名を連ねた民主、みんな両党の計8議員を加えると、発議・賛成・賛同議員は計26人に上る。
主な修正点は、①前文に発送電分離等の電力自由化施策を盛り込む②条(脱原発基本計画)2項の1で原発の新増設を認めないことを明確化する。また、脱原発の時期(3条)については、「できれば2020年3月11日を目標として、遅くとも25年3月11日までに実現されなければならない」との表現に改めた。
脱原発法制定全国ネットワークが同日開いた記者会見で、発議者の1人に名を連ねた社民党の福島みずほ党首は、「3・11から2周年のときに国会が意思表示をしないのはおかしい」との思いから11日に提出が間に合うよう努力したと強調した。
□脱原発基本法案 発議者・賛成者
(PDFファイルが別ウィンドウで開きます)
首都圏反原発連合が国会デモと集会
首都圏反原発連合は10日午後、東京・永田町、霞が関一帯で「原発ゼロ大行動」を夜まで展開した。
日比谷野外音楽堂で開かれた集会には、会場からあふれる約5000人が参加した。
参加者はその後、国会請願デモを行なった。参院議員面会所では社民党の福島みずほ党首と共産、みんな両党の議員がデモ隊を出迎え、要望書を受け取った。
引き続き国会周辺や関係省庁などの前で抗議行動を行ない、この日の行動の締めくくりとして国会正門前集会を開いた。福島党首や菅直人元首相らが登壇。強風が吹きつけ気温が乱高下する不順な天候の中、一連の行動には主催者発表で約4万人が参加した。
■東京でTPP反対集会に4000人 「国益を守れないTPP交渉参加断固反対緊急全国集会」が12日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、約4000人が参加。「日米共同声明をもって(自民党)政権公約で示された6項目の判断基準が満たされたとは到底考えられない」と指摘する決議を採択した後、国会請願デモを行なった。主催は全国農業協同組合中央会(JA全中)など8つの生産者団体と消費者団体でつくる同実行委員会。
主催者あいさつでJA全中の萬歳章会長は「TPP(環太平洋経済連携協定)は国民の暮らしに大きな影響を与え、国のあり方を変えてしまいかねない過激な協定」だとした上で、政府に対し「『守るべき国益』とは一体何か、具体的に明確にしなければならない。不安や懸念を払しょくするには『守るべき国益』が必ず守られるという約束、担保がなければならない」と要求を突き付けた。
政党からは与党の自民、公明、野党の社民、民主、生活、共産、みどりの風の各党代表があいさつした。社民党からは福島みずほ党首が鉢巻きを締めて登壇。安倍首相が「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」とする日米共同声明について、「全ての物品が交渉の対象とされると書いてある。どこに聖域があるのか。アメリカにはこう言う、日本に帰ったらこう言う、これを二枚舌と言わずに何と言うか」と述べ、TPPの本質は聖域なき関税撤廃だと訴えた。
社民党全国連合常任幹事会は7日、党が募った東日本大震災救援募金の未寄託分など(配分先が未決定だった約1090万円プラス千代田区を通じて交付された社会文化会館耐震診断費用助成金のうち国の復興予算を原資とする約280万円)の届け先の5団体を決定した。被災地の子ども支援を重視する観点から検討していたもの。
配分先は、①子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク②福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク③あしなが育英会④NPOこども福祉研究所⑤財団法人福島県教育会館
TPP交渉 弱者を犠牲にすることが「国益」か
安倍首相の正式表明を待たず、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加は既定路線となった。自民党内「慎重派」は首相に対応を一任しておいて「公約を守る」と強弁し、問題を農業における関税撤廃の例外品目の範囲に切り縮めた上で、条件闘争に力点を明確に移した。他方、先行9ヵ国に遅れて11年11月に参加を表明したカナダとメキシコが、9ヵ国で合意した条文を原則として受け入れ、「再交渉は要求できない」との条件を水面下でのまされていたとの報道に対し、首相はテレビ番組で「後から入ってきた人たちに議論を覆されたら困るというのは、そうだと思う」と述べ、秘密条件の存在を暗に認めた。 この状況を導いたのは、2月22日の日米共同声明だ。[つづき→TPP交渉 弱者を犠牲にすることが「国益」か] (社会新報2013年3月20日号より)
私鉄総連 逆風はね返し交通政策前進を
私鉄総連(藤井一也委員長)は7日、東京・日比谷公会堂で「13春闘勝利! 交通政策要求実現! 3・7私鉄総連中央総決起集会」を開き、約2000人が参加。集会後、銀座をデモした。
あいさつで藤井委員長は「賃上げを実現し可処分所得の改善を行ない税・保険料の担保力を回復しなければ、日本経済は衰退し国民は疲弊する」と強調。また、衆院解散による交通基本法案廃案と自公政権復活という状況下で、「新たな交通政策に関する法整備を急ぎ、民主党と社民党と連合本部が力を合わせ、勤労国民のための公共交通と平和な社会を築いていかなければならない」と呼びかけた。
社民党からは吉田忠智政審会長が「公共交通政策の前進に向けて全力で取り組む」とあいさつした。
全自交労連 タクシー事業法の制定めざす
「タクシー産業の再生、労働環境の抜本改善をめざす大集会」が7日、東京・日比谷公会堂で開かれ、ハイヤー、タクシー労働者ら700人が参加、「タクシー事業法」の早期制定などを求めた集会アピールを採択した。主催は全自交労連(伊藤実委員長)などでつくるハイタクフォーラム。
伊藤委員長はあいさつで「タクシー適正化・活性化特措法」の限界を指摘。その上で、通常国会で同事業法の早期成立を求めると訴えた。
新潟市ハイヤー・タクシー協会の高橋良樹会長は、新潟県交通圏の運賃適正化に対する公取委のカルテル認定撤回への決意を強調。来賓の福島みずほ党首は、事業法の制定要求支持を表明した。集会終了後、国会請願デモを行ない、10万人の請願署名を提出した。
議長に山シロ博治さん
普天間基地(沖縄)に配備された米海兵隊機オスプレイの本土での低空飛行訓練が、岩国基地(山口)を拠点に「イエロールート」(四国~紀伊半島)で始まる中、今年まで4回にわたる新聞広告掲載運動に取り組んできた「沖縄意見広告運動」は7日、参院議員会館で記者会見を開き、「オスプレイ配備・訓練反対! 全国キャラバン」の取り組みについて発表した。キャラバン隊長を沖縄平和運動センター事務局長の山シロ博治さん(社民党参院選比例代表予定候補)が務める。
キャラバンは東日本ルートが11日に出発。西日本ルートは2月19日にスタートしている。オスプレイの普天間配備撤回、全国で行なうとされている低空飛行訓練と空軍仕様機の嘉手納基地(沖縄)配備の計画中止をアピールする。
■TPP交渉で又市征治幹事長
社民党の又市征治幹事長は3日、与野党8党の幹事長・書記局長らとNHK番組「日曜討論」に出演し、当面の政治課題について意見を交わした。
安倍首相が参加に向けて意欲を示すTPP(環太平洋経済連携協定)交渉について又市幹事長は、首相が「聖域なき関税撤廃が前提条件ではない」と言う場合の「聖域」とは何であり、FTA(自由貿易協定)で関税撤廃の例外品目とされてきた範囲(全貿易品目の5%程度)は担保されるのか、そもそも日本が参加するメリット、デメリットとは何なのかなどの疑問点を挙げ、「ここらが全く今まで明らかにされていない。国民が判断できる条件も整っていない」と指摘。加えて、自民党が選挙政策集の中で判断基準として例示していた食の安全や国民皆保険を守るなどの点についても不明確なままだとした。
又市幹事長はまた、衆院定数削減と選挙制度見直し問題について、一国の「民主主義のコスト」としての議会や議員定数という問題と、「消費増税のためにそれを減らす」ということは「比較すべき問題ではない」と強調。OECD(経済開発協力機構)加盟34ヵ国中、単位人口比定数で日本は下から2番目に少ないことを指摘し、「まず国会が身を切るべきだ」とする消費増税の免罪符論を「国権の最高機関を自らおとしめる議論ではないのか」と批判した。その上で「得票率が議席に反映するように比例を中心とした選挙制度にしていくことを中心に、定数問題は選挙制度と併せて全党が加わって議論すべきだ」と述べ、自公民3党による密室談合をけん制した。
国会請願デモ
生活保護の削減に反対する国会請願デモが6日、行なわれ、約200人が「いのちの最終ラインを引き下げるな」「貧困の連鎖を助長するな」「年金や最低賃金を上げろ」などと声を上げた。「STOP!生活保護基準引き下げ」アクションが呼びかけたもの。
衆参の議員面会所前では、社民、共産両党議員が出迎える中、宇都宮健児前日弁連会長が「200万受給当事者の声を聞かないまま過去最大の引き下げをしようとしているのは許せない」と訴えた。社民党からは吉川元衆院議員、山内徳信参院議員が請願を受け付け、「安倍首相はインフレにすると言いながら、生活保護はデフレだから引き下げるのだという。言っていることとやっていることが違う」(吉川議員)とこたえた。
社民党全国連合常任幹事会は7日、党が募った東日本大震災救援募金の未寄託分など(配分先が未決定だった約1090万円プラス千代田区を通じて交付された社会文化会館耐震診断費用助成金のうち国の復興予算を原資とする約280万円)の届け先の5団体を決定した。被災地の子ども支援を重視する観点から検討していたもの。
配分先は、①子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク②福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク③あしなが育英会④NPOこども福祉研究所⑤財団法人福島県教育会館
北朝鮮核実験 敵対関係の終結で悪循環の打破を
2月12日に北朝鮮が強行した3回目の核実験に対する国連安保理決議の行方は、本稿執筆時点では定かではない。しかし、現局面に直接つながるのが、核実験前の1月に採択された「弾道ミサイル技術を使用し、かつ安保理決議1718(06年)および1874(09年)に違反する12年12月12日の発射を強く非難する」決議2087であることは衆目の一致するところだ。日米韓主導の圧力強化と北朝鮮のさらなる反発というチキンレース的悪循環を脱する道筋を探るためには、この決議に反映されている国際政治力学を正しく読み解くことが必要だ。[つづき→北朝鮮核実験 敵対関係の終結で悪循環の打破を]
(社会新報2013年3月13日号より)
「ブレない社民党」訴え 改憲勢力との対決強調 社民党の福島みずほ党首は4日、福島県会津若松市の商店街で街頭演説。その後、福島第1原発のある大熊町から避難してきた人々が入る仮設住宅近くの公園で演説し、避難民を激励した。
福島党首は「福島の被害にしっかり寄り添うことでしか脱原発は実現しない」とキッパリ。「(民主党)野田内閣は2030年代原発ゼロを目指すと言いながら、これから原発を建設すると言っている」「(自民党は)原発を推進してきて、政官業癒着をやってきて、どうして脱原発が実現できるのか」と2大政党を批判したのに加え、「社民党はブレない。昨日今日できて毎日日替りのように脱原発政策が変わる政党ではない」と述べ、社民党こそ脱原発の原動力であり推進力だと熱く訴えた。
さらに、「雇用を立て直すことがすなわち生活を立て直すこと」「格差・貧困が拡大している中で消費税を上げれば生活が苦しい人ほど重い負担になる」「消費税増税ではなく不公平税制の是正を。1%のための政治ではなく99%のための政治を」「(TPP参加で)農業や医療を壊してはならない。新自由主義で社会を壊してはならない」と党の政策を次々とアピールした。
また、憲法問題について福島党首は「憲法の価値を生かすことが今の被災地で、日本で必要なこと」と述べた上で、「今度の衆院選が終わったら改憲国会になるだろう。これに敢然と立ち向かえるのは元祖・護憲の社民党だ」と強調。
「原発も戦争も一握りの政治家の決定、誤った国策によってによって人々が傷つく。こんなことは許してはならない。政治は人のいのちを守らなければならない」とし、熱弁を結んだ。
稼働即時ゼロにして廃炉へ 社民党の福島みずほ党首らは5日、大阪市で記者会見し、社民党「脱原発アクションプログラム2013」(PDFファイル)を発表した。11年5月に公表した同プログラムを改訂したもので、福島党首を座長とする党脱原発・自然エネルギー推進プロジェクトチームが策定した。
新プログラムは、「原発ゼロ」への工程表の先駆けとして反響を呼んだ当初版発表の意義を確認した上で、その後に起きた大飯原発3、4号機再稼働、原子力規制委員会設置、「30年代稼働ゼロ」を目指すとした政府の新エネルギー政策決定、着工済み原発建設再開容認などを踏まえ、この間浮上した課題について提言を行ない、「『即時原発稼働ゼロ』を軸とする工程表」として再整理したもの。
当初版で打ち出した「2020年までに原発ゼロ」については、20年まで運転を容認するという意味ではなく、「危険度の高い炉から速やかに廃炉に着手し、20年までに終える」ことであることを明確にした。
使用済み核燃料処分問題では、六ヶ所再処理工場や各原発サイト内での貯蔵が限界に近づきつつある現状を指摘。その上で①当面は発生者施設内に中間貯蔵施設を整備しドライキャスク方式(いわゆる乾式貯蔵)で管理・保管②再処理は行なわず直接埋設処分する方針を明確化する③最終処分の具体的方法については「安全なエネルギー供給に関する倫理委員会」(仮称)を設け5年をめどに国民的議論を行なう とした。
栃木、茨城両県で反対の声が高まっている「指定廃棄物(8000ベクレル/キロ以上)最終処分場」建設問題については、福島県内の廃棄物に関しては10万ベクレル/キロ以上のものは最終処分せず中間貯蔵する方針と整合性がないとし、①少なくとも10万ベクレル超/キロは中間貯蔵とすべき②現在の候補地決定は白紙撤回すべき――だとした。
送電網を公共財に 電力システム改革に関しては、所有分離を基本に発電と送配電を分離し、送電網は公共財として運用し、ユニバーサル(全国一律)サービスを義務付ける。
また、事故を起こした東京電力については法的破綻処理を行ない、発電・送電・事故対応部門に分割し売却。その上で、原子力損害賠償支援機構法などを抜本改正し、国の責任で十分な賠償を行なう体制をつくる。
電力料金値上げ問題では、東電が値上げしたのは「原発が止まったからではなく、原発が事故を起こしたため」と指摘。動いていない原発の減価償却費や原発依存経営の失敗による火力発電燃料費増を消費者に転嫁することは許されないとした。
原発事故の被害者救済では「福島原発事故健康管理法」(仮称)の制定を提唱。健康管理手帳の発給とモニター、検診・治療費用の無料化などを行なうとした。
総合的な生活保障制度を 社民党全国連合常任幹事会は11月29日、「全ての若者に『ホーム』(失敗してもいつでも帰れる拠点、安心できる居場所)を」と提言する「社民党若者アクションプログラム2013」(PDFファイル)を取りまとめた。福島党首と吉田忠智政審会長代理が同日会見し、発表した。
同プログラムは「同一価値労働・同一賃金を目指し、雇用形態などを問わずに生きていける生活保障制度の構築」を提唱。①職場②居場所③住居④家族⑤地域(教育・子育て)⑥アジア地域――が「ホーム」になるというトータルな観点から、生活保障制度の具体的制度設計を提案したもの。
提言を貫く問題意識は、大人から「自己責任」を強調される若者と、先行世代の「既得権」への反感を募らせる若者という世代間対立の負の連鎖を逆転させるため、若者を取り巻く困難を「自己責任」にすり替えることなく「社会の問題」として捉え直し、改善への道筋を探ろうというもの。とりわけ、就労支援が一方的な「就労圧力」に転化しがちな状況もある中で、労働者を使い捨てる「ブラック企業」の横行、雇用非正規化の拡大をテコとして賃金・労働条件が引き下げ競争の様相を呈していることなどに着目し、「人生の各ステージで必要となる生活費・支出を公的サポートで支援していく」生活保障制度の設計について各分野にわたって提言している。
具体的には、①「過労死防止基本法」の制定、失業給付制度の正しい運用(自己都合退職か会社都合か)、労働法教育の実施、労基署の体制強化②改正派遣法のさらなる改善、有期雇用拡大に歯止めをかけるための法改正③中小企業庁の権限拡大など雇用の7割を占める中小企業支援強化、最低賃金の時給1000円以上への段階的引き上げ④公共サービスのアウトソーシング(外部委託)などによる「官制ワーキングプア」の拡大やケア労働の「ブラック化」を防ぐための公契約条例(法)やリビングウェッジ(生活賃金)条例の制定⑤生活保護制度の「最後のセーフティネット(安全網)」としての機能強化、そこに至る前段階の諸安全網の強化、「パーソナル・サポート・サービス」(個々人に着目した生活・就労総合支援制度)の推進⑥「居住の権利」を確立する「住宅基本法」制定、公営住宅の供給拡大、家賃補助制度の創設⑦選択的夫婦別姓を導入する民法改正、セクシュアル・マイノリティ(性的少数派、いわゆるLGBT)の婚姻などによる「ゆるやかな家族」支援⑧「子どもの貧困防止法」の制定、子どもの権利擁護のための第三者機関設置、給費奨学金の拡充⑨アジア諸国との共同の歴史研究推進――などを提起している。
テレビ党首討論で福島党首 福島党首は2日、フジテレビ系「報道2001」、テレビ朝日系「報道ステーションSUNDAY」に続けて出演し、党首間討論に精力的に臨んだ。
このうち野党6党首が出席したテレ朝番組では、各党の脱原発政策の内実をめぐり野党間で論戦が交わされた。福島党首は「原発を動かさない、再稼働させないという問題と、脱原発を実現するということの間には距離がある」と率直に指摘し、基本法および「廃炉法」の制定、立地交付金に関わる電源3法改正と立地地元の産業・雇用構造の転換、過渡的にLNGコンバインド・サイクル(新型の高効率複合型液化天然ガス火力発電)を活用しながら自然エネルギー発電への転換を図るなど、社民党の体系的な脱原発プログラムを紹介。原発停止と火発燃料費負担を理由に次々電気料金値上げを申請する電力会社の姿勢に対しては「料金が上がると脅しながら原発を推進するのは、電力が足りなくなると脅した前と一緒」と批判した。
どの政党が本物か問う 衆院選挙の公約を発表
社民党は11月22日の常任幹事会で「衆議院選挙公約2012」を決定し、福島みずほ党首と吉田忠智政審会長代理が記者会見を開いて発表した。
会見で福島党首は「ブレない社民党が脱原発の実現のために何としても必要。社民党が脱原発、反消費税増税、反TPPの要として頑張る」と強調した。
また、これに先立つ常幹では、打算ばかりが見え隠れする右の「第三極」勢力の離合集散について「維新ごっこをやっているヒマはない」(福島党首)などの批判が相次いだ。又市征治副党首は、新自由主義、(それと部分的に重なり合う)新保守主義の勢力と対抗するのが本来の第三極であるはずだとして「(社民党と)社民主義的リベラル派を含めた勢力こそが第三極だ」とコメントした。
全国幹事長会議で決意
社民党は11月22日、東京・社会文化会館で全国幹事長会議を開催した。執行部側が提出した衆院選公約などを質疑・答弁の上で了承し、総選挙闘争の本格的スタートを切った。
冒頭のあいさつで福島党首は、総選挙の争点として①格差是正(格差を広げる消費増税や地方を疲弊させるTPPなどに反対)②脱原発③憲法改悪反対 の3本柱を挙げた上で、「自民党はこりごり、民主党はダメ、第三極はわけ分からない。社民党こそ頑張らなければならない」と述べ、全党の総決起を促した。
若者の生活保障を提案
党常幹は11月29日、「全ての若者に『ホーム』(失敗してもいつでも帰れる拠点、安心できる居場所)を」と提言する「社民党若者アクションプログラム」(PDFファイル)をとりまとめた。福島党首と吉田政審会長代理が同日会見し、発表した。
「未来」とは連携協力へ
滋賀県の嘉田由紀子知事が11月27日、「卒原発」を掲げる「日本未来の党」結党を表明したのを受け、社民党全国連合常幹は同29日、「新たな『第三極』結集の動きについて」と題する党見解をとりまとめ、「未来」について「脱原発実現、消費税増税撤回、反TPPの一翼を共に担う勢力と位置づけ、協力・連携の方向で臨む」とし、具体的な選挙協力についても「可能なところについては追求する」との態度を確認した。
見解は同時に、「リベラル勢力の要となるべきわが社民党の力不足については、率直に反省する必要がある」とし、護憲や雇用問題などで「社民党の存在意義や特色を鮮明に打ち出していく」との態度も確認。未来の掲げる政策の評価については、子育て支援のバウチャー(利用券)制度導入などに触れ、「詳細に検討すべきものも盛り込まれている」と慎重な姿勢を示した。
【東京】前職の辞職に伴う東京都知事選(29日告示・12月16日投票)で、前日本弁護士連合会会長の宇都宮けんじさん(65)が11月9日、衆院議員会館で記者会見し、無所属で立候補することを表明した。「石原都政との決別」を願う都民やメディア関係者が多数詰めかけ、会場は「宇都宮コール」の熱気に包まれた。
宇都宮さんは開口一番、「優しさこそ本当の強さだと確信する。上から目線ではない、人に優しい東京を実現するために、皆さんと共に働くことを決意した」と熱く出馬表明。また「憲法9条と25条は車の両輪。平和な都政、アジア諸国との友好を強めることも都政の大きな責務」と語り、憲法の平和主義と生存権保障の理念に基づいた都政を推進する考えを示した。
社民党都連合(北川雄重代表)は13日、支部代表者会議を開き、宇都宮予定候補を支持することを決定した。
■照屋寛徳衆院議員の追及に対し野田首相 社民党の照屋寛徳衆院議員は13日の予算委員会で、普天間基地に配備されたオスプレイが人口密集地上空で垂直離着陸(ヘリ)モード飛行を繰り返していることについて、「9月19日に日米合同委員会で合意した安全確保策を全く守らずにやりたい放題だ」と追及。
これに対し政府側は、「米国はオスプレイに関する合同委員会合意を順守し、安全性等に最大限配慮していると認識」(野田佳彦首相)、「米国は日米間でつくられた合意を守ろうとして飛行の安全に努めている」(森本敏防衛相) と答え、飛行実態に対する明確な判断提示から逃亡。「政府としてもこの合意が順守されるようフォローしていく」(野田首相)、「わが方としても目視によってできるだけ飛行の実態を把握すべく努力しているところ。極めて具体的、明らかな問題があれば外務省と協議して合同委員会の場でアメリカ側に指摘するつもり」(森本防衛相) と、実に悠長な態度だった。照屋議員は「政府は国民、沖縄県民の命の安全は守ろうとしないでアメリカの言いなり」だと厳しく指摘した。
照屋議員はまた、沖縄県読谷村で米兵による住居侵入・傷害・器物損壊事件が発生した当日の11月2日、藤村修官房長官が会見で被疑者の起訴前身柄引き渡しを要請する必要はないと述べたことについて「県警が犯人米兵の事情聴取もしていない段階での官房長官発言は警察の捜査権に対する政治の不当介入だ」と批判。小平忠正国家公安委員長は「事件発生直後から捜査に対し米側の全面的な協力が得られていたことから、本事件の性質上、起訴前の身柄引き渡しを要請することが必要となる可能性は低いと認識していた」と答弁し、藤村長官をかばった。
(社会新報より)